網代編み


輪口編み

4年前、初めて竹細工の教室に入った時、円形の放射状に広がる竹編みを目にした。
後に、一風変わったその編組は輪口編み(輪弧編み)と言うことを知った。

2枚の輪口編みを重ねて編み込む二重輪口編みは、いかにも竹細工という趣があり綺麗だが、編み上げに大変苦労するらしい。
そのため、編むことをずっと敬遠してきた。
が、このほどようやく二重輪口編みに取りかかることにした。

試しに輪口の平編み(単輪口)を作ってみた。

単輪口


次に、網代編みのおさらいに3本とび網代を編み、二重輪口の底板(ます網代)を試作した。

網代編み

いよいよ二重輪口編みに取りかかろうとしたが、いつもの浮気クセもとい寄り道クセで、麻の葉編みと亀甲編み(鉄線編み)の底板も作りたくなった。

いざ始めてみると、麻の葉編み、亀甲編みとも結構難しい。
六つ目編みや網代編みのように単純に押さえ、すくいを繰り返すだけでは編むことができない。
編んではほぐし、編み目を探すパズル解きにすっかり夢中になってしまった。
ようやく出来上がった麻の葉編みと亀甲編みを眺めてみる。
二重輪口の底板は、やはり、麻の葉や亀甲よりも網代編みの方がぴったり来る感じだ。

麻の葉・亀甲


調べてみると、面白そうな網代編みが沢山ある。

網代いろいろ


これと思う網代を編んでみたが、白ひごだけで編んでいるので、図のような模様が出てこない。
ひごを染めなければならない!
寄り道どころか、二重輪口編みから脱線・暴走することにした。

竹の表皮は色が染まりにくく、まだらになる。
染色するためには“ほうろう質”の表皮を薄く剥ぎ、“磨き竹”を作らなければならない。
しかし、皮剥ぎ専用の道具“磨き銑”は1丁¥9000也。
道具の手作りが趣味とは言え、“磨き銑”作りは難儀だ。
“磨き銑”の代用として“南京鉋”を使ってみたところ、まどろっこしいながらも磨き竹を作ることができた。

南京鉋

色ひご

次に、布・竹用の染料と角バット(染め鍋)を購入。
色むらができないようにかき混ぜながら、ひごを染色液に20分間浸漬。
水洗いの後、陰干しして色ひごが出来上がった。

早速、色ひごを使って平編みをする。

花網代

連続ます網代

交色亀甲


二重輪口の底板のことはほとんど忘れている。

大きな染色鍋を作ろうと思い、早速、90×45cmのステンレスの板を買って来た。
鍋が完成すれば、長尺のひごも染色できる。
また染料も、今回使用のダークブロン含め28色用意されている。
板金仕事、ひご作り、染色、交色編み、楽しみがどんどん増える。
悪戦苦闘必至の難しい二重輪口編みは、しばらくの間お休みだ。



参考資料
手元で見ながら編むために作成した自分用のガイドを掲載しました
人それぞれで着眼点が違うので余り参考にならないかもしれませんが、画像を保存(ダウンロード)して印刷すれば利用できます
(ます網代、花ます網代、連続ます網代、麻の葉は佐藤庄五郎著「図説竹工入門」の図をベースにしました)

【ます網代編み】

オカモト先生にます網代の編み方をお聞きしたところ「図の通り531を繰り返すだけ」と素っ気ないご返事。
実際に編んでみたら、5本3本1本の順で押さえとすくいを繰り返すだけで出来上がった。
実に簡単明瞭で素晴らしいご指導ありがとうございました。


【花ます網代編み】

5、3、1の基調で展開する点ではます網代編みと同じ。
図中心部に記した数値を基に、図左側に記した数値リズムでチェックしながら押さえとすくいを繰り返すと楽に編むことができる。


【連続ます網代編み】

5、3、1のリズムがやや複雑になるが花ます網代編みと同じ。
図上下の黒ひご挿し、白ひご挿しの図は90度向きを変えた時の挿しパターン。


【麻の葉編み】

一周6本のひごを図中オレンジ色の説明通り編み込む。
その際、①~⑥順にひごを入れる毎、ガイドとひごを 反時計回りに60度回転させると見やすく編みやすい。

三周目以降、①~⑥順でひごを入れては交点(赤★) を組み直す。

ガイドとひごを反時計回りに60度回転させるのは二周目 と同じ。

最初に中心の六つ目に3本のひご(青)を挟まないで 編み始めると右図のような出来上がりになります。



【亀甲編み(鉄線編み)】

ポイント:
①“N”を探し出す
②“N”を見つけたら3本のひごを正しい形に組み替える
③“V”と“N”をすくう
補足:

“N”を見つけるための基点のパターンは右図の通り。
基点から右上に伸びるひご(橙色)と交差するひご(赤色) 、橙色のひごと平行に右上に伸びるひご(黄色)の3本で “N”が構成される。
この3本のひごが他のすべてひごの上にあることを確認し、 さらにまた赤色のひごは他のひごすべての上になるように組み替える。
“V”が現れる時があるが、位置は必ず左端。

素っ気なく訳の分からない説明だが、編み方を説明するのは 実際に編むよりはるかに困難だ。これが亀甲編みが 竹編みのなかで最も難しいと言われる理由かも。
その人なりに編み方のポイントと要領さえ理解すれば、 亀甲編みができます(できました)。
しかし、“N”の確認・組み替えに時間が掛かります。 一周6本の作業を3周(ひご18本)ほどこなしたら 今日はもうこのへんでいいか、という気持ちになります。
どなたか効率の良い編み方を知っていたら教えてください (知ってはいても教えることが難しい・・・?)。