苔玉作り

楽しくチャレンジ 苔玉作り〔小冊子〕 長池泰弘


最近「苔玉」をはじめ、“苔”が大変ブームになっています。私は、蕎麦屋を始めて間もない頃、暇に任せてしばしば作っては店の机に飾っていました。これが評判となって、蕎麦の客に頼まれては作り、何点か販売することもありました。
ところが、最近出回っている「苔玉」は残念ながら、粗悪な作りが多くて、その道を究めた(???)自分としては承知できかねるという悪癖が出てきて、とうとう“苔玉作りの手引き書”まで作る羽目になった次第です。
先月からは、お歳暮用にと思って仕込んでいるところで、週2~3日は制作に努めています。張った苔が成長をはじめないと完成しませんので、それを待ちながらの作業ですが結構楽しいものです。
来春には「苔玉作り」の講習会の依頼があることから、いよいよ、本格的に取り込もうかとも考えているところです。
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 蕎麦屋の“苔玉作り”〔楽しくチャレンジ 苔玉作り〕
花卉関係の仕事が天職だと思っていたが、サラリーマン生活に疲れてしまい、蕎麦屋をやろうかと密かに心に決めたのが十八年ほど前だった。
それから4年後、念願だった『手打ちそば ながいけ』という名の小さな店を構えることができた。私の蕎麦は、粗い粉で打つこだわりの“粗挽き蕎麦”で、県内外から少しばかりは注目される蕎麦だった。
蕎麦の人気が出始めた頃に遊び心で始めた“苔玉”だったが、評判になって所望されては作るようになった。しかし、本業が忙しくなるといつのまにか疎遠になってしまった。
関係ないように思われるだろうが、砂のような土を捏ねて丸めて苔を張る苔玉作りと“粗挽き蕎麦”を打つ心とには、何か相通ずるものがあったかもしれないと当時のことを振り返った。
今年5月末に、十三年余続けた“粗挽き蕎麦屋”を閉店したが、前後して“苔玉作り”の講師を頼まれた。蕎麦屋を卒業し間もない時だったが、新鮮な気持ちで楽しいひと時を過ごすことができ実に感慨深いものだった。
大変オシャレで、老若男女を問わず楽しむことのできる“苔玉作り”だが、きっとボケ防止にも役立つカルチャーになるに違いないとつくづく思った。                  (平成30年9月記)
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